新着、2台のリンカーンSUV。
リンカーンの名はご存知でしょうか? そう、GMのキャデラックなどと並び称される、北米フォードの最上級プレミアムブランドで、かつては日本にもリンカーン・コンチネンタルなんかが輸入され、けっこう知れわたった名前でした。
そのリンカーンを最近、フォード・ジャパンが日本市場に復帰させたんですね。車種は今どきのトレンドに沿ったSUV系の2モデル、ナビゲーターと、MKX。そのプレス試乗会が10月の初めに、横浜を舞台にして開かれたのでした。
上の写真がナビゲーターですが、まさに古典的なアメリカン高級SUVの典型のようなモデルで、8人乗りのボディは全長5295×全幅2035×1995全高㎜、ホイールベース3020㎜という小山のようにデカいクルマです。
304psと50.5kgmを出す5.4リッターV8と6段ATで4輪を駆動し、車重2730㎏のボディを走らせる超マッスル系。ドライビングしてみると意外と骨っぽい感覚を持った、まさに趣味の世界のクルマという印象であります。
これは良き時代のアメリカンカーを思い起こさせる、いかにもリンカーンなメーターパネル。ちなみにナビゲーターのプライスは870万円。
ま、いいんじゃないでしょうか、スパルタンスポーツ好きにとってのケイターハム・スーパーセヴンのような、いわば趣味のクルマですから。
こちらが日本市場における本命といえる、リンカーンMKX。横置き3.5リッターV6と6段ATで4輪を駆動する今日的構成のSUVで、2列シートの5人乗り。メーカーではCUV=クロスオーバー・ユーティリティ・ビークルと呼んでいますが。
MKXのサイズは4750×1925×1705㎜とナビゲーターと比べれば随分とコンパクト。しかも分厚いフェンダーの上に薄いキャビンが載ったボディのスタイリングはぐっとモダンかつスポーティで、なかなかスタイリッシュに見えました。
ちなみに、269psと34.6kgmを生み出す3.5リッターV6で2060㎏のボディを引っ張る走りは動力性能的には充分。全体のドライビング感覚はどことなくマイルド、という印象でありました。
ブラックを基調に、黄色味がかったメイプルウッドのパネルと同様の色のパイピングがアクセントを効かせるインテリア。ヨーロッパ車とも日本のクルマとも違う、アメリカン独特のモダンなラグジャリー感がたしかにありますね。
左右のテールランプを結ぶ赤いガーニッシュが特徴的な、MKXのリアスタイル。こちらのプライスは650万円ですが、日本市場における価格競争力は充分にあるのだろうか、というのが僕の正直な印象であります。
2008-10-11 09:40
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コメント(3)
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ナビゲーターは巨大な印象がありますね。
MKXは適度なサイズと現代的な内外装が素敵です。
リアビューはコンチネンタルを連想します。
by らた (2008-10-11 16:05)
いやー流石に世界最大の石油消費国の面目躍如たる車ですね。
信号待ちをしているときの燃料でスーパーカブだとどれくらい先まで行けるのか、島国のみみちい人間は考えてしまいます。
フェイシアのメーターはおもわず7リッター4バレルの世界を思い起こさせますね。
このメーターの内どれだけちゃんと働くのかなどは考えないことでしょうね。
タンドラとかが良く出来ている分こういうアメリカンの濃い味付けでの差別化が重要なのでしょうね。
by Blueman (2008-10-16 11:01)
らたさん、
たしかにMKXのリアガーニッシュ、かつてのコンチネンタルを連想させますね。
Bluemanさん、
リンカーンの濃い口路線には、こういういわば保守的なテイストが必要なのでしょう。
by 吉田 匠 (2008-10-21 13:11)