トヨタiQ、プロトタイプの第一印象。
先週の半ば、旭川から燃料電池車「FCHV-adv」に乗っていったトヨタ士別テストコースでドライビングしたのが、プレミアムな超コンパクトカー=マイクロカーとしてトヨタが開発した、iQのプロトタイプでした。
全長2995×全幅1680×全高1500㎜、ホイールベース2000㎜という超小型2ドア+ハッチバックボディの内側に、最大で3人の大人と1人の子供を収めようというパッケージングが、iQの最大のミソであります。
これはそのダッシュボードとフロントシート。普通のサイズのトヨタ車の室内と違って、ピリリと緊張感のあるインテリアデザインも、なかなか魅力的でありました。内装は2種類あって、これは標準の布張り。運転姿勢も自然な印象。
助手席側のダッシュボードが前にえぐれているところにご注目を。大人が3人乗るときには助手席の住人がシートを前に出して座ると、その後ろのリアシートに大人が座れるだけのレッグルームが生まれるというわけです。
リアシートのヘッドレストを外してバックレストを前に倒すと、テールゲートの奥にこれだけのラゲッジスペースが生まれます。
僕のドライビングポジションまで運転席を下げても、横幅92㎝、奥行き70㎝の空間ができ、特大サイズのRIMOWAアルミスーツケースが余裕で入ります。
フロントの顔つきは必ずしも僕の好みとはいえませんが、ラウンドしたリアウインドーが特徴的なプロフィールと斜めリアビューはかなり好印象。エクステリアデザインの原型は日本の本社デザインセンターから生み出されたとのこと。
そのボディサイズからメルセデスのスマートと比較されがちですが、2人乗りが発想の原点にあるサイクルカー的なスマートと、小型乗用車の縮小版というべき発想から生み出されたiQでは、違うカテゴリーのクルマだという気がします。
日本仕様のパワーユニットは当面、1リッター3気筒+CVTで、車重は900kg弱という軽量に収まっているらしい。それに加えて国内でも、来年あたり1.3リッター4気筒+CVTが追加されるのでは、というのが大方の予測。さらにヨーロッパ輸出仕様には、1.4リッター4気筒ターボディーゼル+6段MTがある模様。
テストコースの周回路を走るのiQは日本仕様1リッターのプロトタイプ。動力性能はまずまずで、高速クルージングは直進性も含めて問題なくこなしてくれそうでしたが、僕にとって最大の不満はステアフィールが希薄なことでした。
踏み込んだときの“パンチ”も含めて、ある程度のパフォーマンスを求める僕のような人間は、日本仕様では1.3リッターの登場を待つほうが賢明ではないかと。しかもCVTには6段か7段くらいのマニュアルモードが欲しいですね。
夢をいってしまえば、1.3リッターガソリン+6段MT、あるいは1.4リッターターボディーゼル+6段MTもしくは何らかの2ペダルトランスミッションというのが理想ですが、トヨタはなぜか日本での販売台数をあまり多く見込んでいない様子なので、バリエーションを増やすのは難しいかもしれないですね。それにターボディーゼルは、例の超厳しいポスト新長期規制をクリアしないといけないし・・・。
いずれにせよトヨタiQ、今後がとても気になるクルマだということであります。
<iQプロトタイプ、写真はすべてトヨタ自動車提供>
2008-08-26 21:12
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コメント(9)
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貴殿の試乗記を読ませていただき、iQを購入するという自分の気持ちが益々固まったところです。
1.3ℓの追加や内装の色追加等を待つまで購入を待てないというのが素直な気持ちであります。
本来は試乗してから購入を決めるのですが、今回は試乗せずに買ってしまいそうです。
正直言いますと、もう少しボディラインが引き立つボディカラーや明るい内装色があるといいのですが・・・それにディーゼルの6MTとか。
以前購入したスバルR1ほどデザインには魅力を感じてはいませんが、発表が楽しみな1台です。
by キアシヨ (2008-08-26 22:38)
見た目はスバルR1、スマートににてますね。私の愛車はロードスターです。「男は黙ってスポーツカー」世代だもんで、ご試乗のコメント「僕にとって最大の不満はステアフィールが希薄なことでした」で購入対象から外れちゃいます。でもエコには興味はありますよ! 先週フルモデルチェンジを一年後に控えたプリウスに乗るチャンスがありました。走り始めは電気モーターでの始動で無音でした。これはクルマの存在を歩行者等に知らせない結果になり危険なクラマともいえるのではないか。そして3ナンバー枠なのにゴルフバックが横に入らないこと。トヨタ車全般に言えることですが「空力重視のデザイン」のためフロントがぜんぜん見えないことの不安さを感じ購入検討からはずしました。
CO2も含め、クルマは走る凶器でもあります。
欧州のように社会システムのもとカーシェアリング、公共機関の電車、バスを使ったほうが環境にはよいはずです。最近、自転車(ロードバイク)にはまり休日には、一日で100kmは走っています。CO2はゼロで、汗をかいて帰宅しシャワーを浴びる至福の時が過ごせます。
ロードスターで箱根のワインディングを走るのも愉しいのですが、ロードバイクもまさしく人馬一体で愉しいですヨ。長文になりごめんなさい!
by Bogey (2008-08-27 13:50)
ステアフィールが希薄なのは残念ですが、FIAT系にあるCITYモードを付けて切り替えが出来れば良いと思います。
私は軽すぎてCITYモードを使いませんが、トヨタがこれくらいのスイッチを付けるのは簡単だと思います。それと日本の大衆車全般に言える事なので良い解決策ではないでしょうか。
by komi (2008-08-27 19:43)
写真で見ると前輪駆動(ですよね?)の割には後輪にもしっかり載っていますね。
まあタイヤがしょぼいからフィールはしようがないのかもしれませんね、流石に十八番のハイブリッドは電池のお部屋がないのでしょうね、トヨタがはじめからディーゼルを入れるなんて。
by Blueman (2008-08-28 15:55)
> 最大で3人の大人1人のと子供を収めようという
typo?
by きるすぱむ (2008-08-29 19:50)
日本には軽自動車があるので、普及は難しいと思えてしまいますが。。。iQにはこれといった優遇がないようですし。。。
by kenken (2008-08-30 01:28)
キアシヨさん、
相当に積極的ですね。
欲しいとなったらスグにでも、と物欲が騒ぐ気持ち、僕にもとてもよく分かります!
Bogeyさん、
ロードバイクで1日に100kmですか。
僕も物欲優先でロードバイクは2台所有していますが、情けないことに、過去最長で1日に精々30kmくらいしか走っていませんね。
komiさん、
ステアフィールに関しては、エンジンが重いため前輪荷重が国内向けの1リッター3気筒より大きく、なおかつ標準タイヤもエコ系でなくなるヨーロッパ仕様の1.4リッター4気筒ターボディーゼルは国内向け1リッターよりずっといいらしいので、国内向けのガソリン車でも後に出る1.3リッター4気筒のモデルならそれなりに改善されると思います。
Bluemanさん、
そう、ステアフィール、タイヤを替えれば改善されると思いますね、僕も。
それと、トヨタがiQの最大のマーケットと意図しているのはヨーロッパなので、ターボディーゼルが最初からあるのは当然でしょうね。
ぎるすばむさん、
> 最大で3人の大人1人のと子供を収めようという
失礼しました。
⇒最大で3人の大人と1人の子供を収めようという
のが正しい表現です。
「と」の位置の違いひとつでこんなになってしまうんですね。(笑)
本文、修正しておきます。
kenkenさん、
たしかにそのとおりですね。
でもiQに興味を持ってその購入を検討するような人は、たぶん軽自動車と比較はしないんじゃないかと思いますね。
もしも何かと比較するとしたら、むしろMINIワンとかスマートとか、そういったあたりかと。
というより、他のクルマとあまり比べないのではないかと・・・。
実際にトヨタもiQの最大の市場はヨーロッパだと考えているわけですから、日本でそれほどiQが売れるとは思っていないようですね。
by 吉田 匠 (2008-08-30 13:31)
こんにちは。「トヨタ」、「iQ」、「欲しい」で検索しておじゃましました。
この車、いいですね・・・。1300ccが待ち遠しいです。
買えるかどうかは別にして。(笑;)
by Yakoha (2008-12-24 00:08)
3人以上乗車だと助手席を前に出し…って運転手の左視界を遮っちゃうんじゃないですか??
これってシティーコミューターとして視界不良で危険だと思うのですが
by はんと (2009-01-01 07:44)